突如降って湧いてきたビットコインからのフォーク通貨であるビットコインゴールド(BTG)。
名前はなかなかカッコ良いですが、これがなかなか酷いとビットコイナーの間で話題になっているので、この機会に書いてみようと思います。
ビットコインゴールドとは
ビットコインゴールド(BTG)とは、香港のマイニング企業であるLightningASICのCEO、ジャック氏がフォークの指揮をしているそうです。
今後のスケジュールとしては、10月25日(水)にリリースされ、11月1日(水)には取引所(どこかは不明)に公開される予定だと発表しています。
そもそも、ビットコインゴールドの存在意義としては、誰でもマイニングに参加できるようにすること。
マイニングの難易度を下げGPUによるマイニングを可能とすることで、ビットコインのように演算能力が高く巨大なマイニング工場を持つような特定の企業が独占することを防げるというのです。
コンセンサスアルゴリズムもビットコインではなく、Zcashのアルゴリズムを採用する模様。しかし、まだこれが行われるかどうかは確定しているわけではなく、あと20日の間に「やっぱり分裂やめました。」という場合も十分考えられそうです。
ビットコインゴールドが産まれるとどうなるのか?
ビットコインゴールドはビットコインからハードフォークで産まれるので、ビットコインゴールドを支持するマイナーの数だけハッシュパワーが移ってしまうことになります。
そうなれば、ビットコインの価格は下落。ビットコインの保有者はビットコインゴールドが付与されるために、損失とならないかもしれませんが、これは何とも言えないところ。
blockchain.infoを見る限り、LightningASICは上位のハッシュパワーを保有していないようなので、大した混乱はないのではないでしょうか。
・ビットコインのハッシュパワーの分布
出所:blockchain.info
通貨を増やす取引所も大変
さて、どこの取引所に上場するのか気になるところですが、ビットコインキャッシュをいち早く取り扱いスタートしたbittrexやbitbankとそのホワイトラベルを持つbittredに期待が持てます。
しかし、新規通貨ペアを増やすのに取引所もかなり費用が掛かるようで、詳しい人に聞いたところ、ざっと年収1人分ほど必要とのことでした。なので、500万円くらいなのでしょうか。
それであれば、日本の取引所がbittrexのように多くのアルトコインを増やすとなると、10で5千万円。30で1億5千万円と尋常じゃなくコストが掛かります。
ここで、ビットコインゴールドがそもそもちゃんとしたものとなるのかどうかですが、これがかなり怪しいところです。
まず、上記のハッシュパワーの分布を見る限り、フォークさせるLightningASICの名前は見当たりません。
となると、彼らのハッシュパワーは1%以下。
つまり、ビットコインゴールドの価格はざっと5千円以下となると考えられます。
時価総額は800億円以下というところでしょうか。
規模的には、OmiseGoやQtumと同じくらいですね。
おっ、意外とあるじゃん、と思った方、1%以下ですから、実際にいくらになるか分からないですが、筆者の最高想定値ですので、お間違えなく。
そしてさらに、もうハードフォークしていて、開発者が20万BTGを持っているという謎情報も入ってきています。
参考:Bitcoin Gold(BTG)は詐欺?BTCのハードフォーク(HF)の状況を詳しく解説
BTGの付与条件ですが、BTGの開発者がプライベートネットワーク上で既にBTCを10月1日にフォークして、難易度を下げ先に20万BTGをマイニングで手にしている。
おいおい、10月1日時点でビットコインを持っていた人じゃないともらえないんじゃん!取引所においてあった場合は、その取引所が取り扱いを始めないと付与されることはなく、さらに、取り扱いを始めたとしてもかなり煩雑な作業となるので付与されない可能性も十分あるようです。
こうなると、ハッシュパワーも弱く使い道のない通貨を取り扱う取引所がない出てくるのか?と言う不安もありますね。
この方のブログを読んでも、そもそも本当にハードフォークするのかも怪しく、開発ソースがスカスカで、またプライペートネットワーク上でフォークしているため、本当にフォークしているのか確認する手段もないがないとのこと。
つまり、限りなく色んな事がブラックボックスだということです。
先週の仮想通貨の上昇がビットコインゴールド狙いだという人が多いですが、自分はその意見に懐疑的で、新規マネーの流入が大きな原因ではないでしょうか。
また、ビットコインゴールドの話題が出てくると思いますが、大手メディアが「ビットコインキャッシュのように持っていると付与される」というような報道があれば、その時は一気に高値を取ってくるのかもしれません。
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この記事を書いた人
- FX歴2009年~、株歴2015年~。その他、CFD、商品、オプション、仮想通貨まで幅広く取引しています。金融メディア勤務で数多くの個人投資家ネットワークに参加。機関投資家から億トレまで、多くの投資家から得た知識を展開していきます。
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