コインチェックの580億円相当のネムのハッキング被害で日本中が揺れています。
参考:コインチェックで時価総額580億円もの仮想通貨が流出!状況まとめ
ただ、それよりも10応援の被害にあった「はれの日」の方が報道されていることに少し違和感を覚えます。
さて、今回はコインチェック社の管理体制に大きな失態がありました。
- コールドウォレットで管理と公表しつつ、実際はホットウォレットで管理
- 全額ホットウォレットで管理
- マルチシグの未導入
正直、追及することすら無意味に思えると言いますか、嘘ついちゃいけませんよね、資産は銀行や証券会社に預けましょう、家を出る時に鍵を掛けて出るのが常識ですよね、というレベルです。
細かな点を書くとキリがないですが、プログラマに話を聞くと同社のセキュリティレベルは穴だらけだったそうです。
コインチェック社のことはこれくらにして、こういった事件が起きると取引所の安全性に焦点が当たります。そこで、1部上場企業のGMOインターネットグループのGMOコインのセキュリティ対策に関してみていきましょう。
上場していると、様々なことを管理・監督され、株主からの目線もあります。そして、同社は長年の金融経験がありますので、顧客から巨額の資産を預かる企業として、しっかりとした体制ができていることは間違いないでしょう。
セキュリティ・顧客資産管理
取引所の安全対策としては、セキュリティレベルの向上と顧客資産の管理方法があります。
・サイバー攻撃対策
たとえば、ハッキングを試みようとするようなサイバー攻撃に対し、「顧客アカウントの乗っ取り」、「システムへの侵入」の2つの観点から対策が行われています。
・顧客アカウントの乗っ取り
- 日本円出金や仮想通貨送付の際に、2段階認証を必須化
- ログイン実績のない端末からログインがあった際の2段階認証を必須化
- ログイン履歴の記録とメールによる顧客への通知
もし、ログインIDとパスワードが流出した場合でも、ログインや送金を防がなければなりません。その為に、いつもとは異なるスマホやPCからのログインは2段階認証を行わないと入れないようにするのです。認証端末は基本的に本人が保有していますので、知らない間にハッキングされた!ということはかなり防げそうです。
最悪の場合、でもログイン、送金履歴がメール通知されますので、自分がログインしていないことを把握することができます。
・システムへの侵入
- システムの24時間365日監視
- 外部のセキュリティ専門家による定期的なシステム脆弱性診断
- グループ会社と連携した脆弱性情報の収集
365日の監視は当然と言えますが、外部業者による確認は自社運用に脆さがあったコインチェック社の例をカバーできる内容です。GMOほどの大手で自社開発、サーバー運営を行っている同社であっても外部の力を借りているほどですので、仮想通貨のセキュリティの大変さが見て取れますね。
コールドウォレット管理とマルチシグ対応
基本的に、多くの取引所では顧客資産の7割程度はコールドウォレットで保管されていると言われています。
GMOコインも、日常的に送金される一定量に必要な仮想通貨はホットウォレットで管理。それ以外の仮想通貨は、コールドウォレットで保管されています。
顧客資産の分別管理
仮想通貨の取引所は、法令で顧客資産の分別管理を定められています。
つまり、会社のお金と顧客の資産を分けて管理して下さいということですね。
もともと、コインチェック社ではこれが行われていなかった疑惑があり、現在金融庁の人が10人ほど常駐して、調査しているそうです。
もちろん、GMOコインは顧客の仮想通貨を自社保有分と顧客保有分で分離保管しています。また、日本円も同様に別口座で管理されています。
FX業界と同じく、信託保全をすれば良いのではないか、という声もあるようですが、これを法令化してしまうと自己資金の無い取引所は厳しい状態に追い込まれるので、導入されるとしてもかなり先となりそうですね。
参考:GMOコインの顧客資産保護体制について(2018/2/2)
※こちらのバナーから無料で口座開設申込みが出来ます。
※キャンペーン詳細はGMOコインのホームページを必ずご確認ください。
この記事を書いた人
- FX歴2009年~、株歴2015年~。その他、CFD、商品、オプション、仮想通貨まで幅広く取引しています。金融メディア勤務で数多くの個人投資家ネットワークに参加。機関投資家から億トレまで、多くの投資家から得た知識を展開していきます。
最新の投稿
- 取引所ニュース2019年3月25日楽天ウォレットとディーカレットの2社が仮想通貨交換業者に登録
- コラム2019年1月4日JVCEA会員にみなし3社のほか2社が加盟
- コラム2018年11月6日ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークで気を付けておきたいポイント
- コラム2018年11月4日バイナンスがビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォーク支持でBCHが高騰